「三角エコビレッジSAIHATE」は本論で紹介するコミュナルリビングの中で、おそらく最も近年に生まれたものである[1]SAIHATEは、熊本県宇城市、有明海に突き出した宇土半島の中ほどに位置するコミュナルリビングである。ここが誕生したのは、2011年11月11日。同年に起きた東日本大震災を契機にこの地に疎開をしてきた家族などが中心となり生まれた。元々この地には「自然の里」という団体が活動を行っていたが、その地を譲り受けたものだ。

 現在この地では、27名(大人17人、子供10人)がともに生活している。共同生活のコンセプトは、「ルールもリーダーもなく、お好きにどうぞで始まる村づくり」というもので、1960年代のスピリチュアル型コミュナルリビングのそれに近しい。住民はそれぞれに自営の職業を保有しているようで、大工、縫製作家、猟師、家具職人、映像クリエイター、ヨガインストラクターなどの「年齢もスキルもバラバラの個性豊かなクリエイター」で構成されていると言う。ホームページを見る限り、住民の多くは20〜30代の若者が中心のようである。



[1] 三角エコビレッジSAIHATEについては、主にHP http://village.saihate.com/の情報による