木の花ファミリーは静岡県富士宮市にあるオルタナティブな生活を志向するコミュニティリビングである。[1]木の花ファミリーのスタートは1994年。愛知県小牧市で内装業を営んでいた“じいじ”が独特な宗教観を持つに至り、実践の場として20名の仲間とともに静岡県富士宮市に移住し、「木の花農園」で共同生活を開始したのが始まりである。思想的にはニューエイジズムに近しいもので、人工世界・自然世界(現象世界)の先にある潜象世界との天然循環を進めることによって人工世界で失われる生命エネルギーを取り戻すことができるという基本思想である。

 具体的な活動内容は、自家農園での農業活動及び生産物の販売がベースとなっている。現在110品目250種類を超える野菜や穀物、米や自然卵、味噌、しょうゆを無農薬農法で生産し、食料はほぼ自給体制であると同時に、ネットなどを通じ農産物の直売も行っている。

当初20名でスタートした活動は、次第に賛同者も増えてくることで、活動領域の幅を広げ、農業以外では、現在、体験型宿泊施設の提供、精神疾患、ひきこもりなどを対象とした自然療法プログラムの提供、飲食カフェやマッサージの提供、教育プログラム「一ヶ月の真学校」の提供などを行っている。

  活動領域も幅の広がりに呼応する形で、2007年に名称を「木の花ファミリー」と改名し、現在はこの地で約100名近いメンバーが共同生活を営んでいる。



[1] 木の花ファミリーについては、主に木の花ファミリーHP https://konohana-family.org/による