20195月某日、宮崎に所要の際、折角ここまで来たのだからと、翌日レンタカーを借りて日向新しき村を訪れてみた。Google Mapで検索してみると、宮崎市内から北へ約60㎞、東九州自動車道を経由して約1時間強の場所だ。

東京で1時間というと、さほど遠い感じはしないが、宮崎で1時間はかなり遠くまで来た感じがする。

宮崎西インターから東九州自動車道に乗り、ほぼ一直線に進んでいくと、周りに見える山々が、次第に濃い緑に変化していく。高鍋インターを降りてからは、小丸川沿いの道を遡っていく。

民家は次第に存在が薄くなり、人里離れた山間の道を蛇行しながら進む。「日日新トンネル」「友情トンネル」という名の実篤由来名称のトンネルを通り過ぎれば、川向こうに日向新しき村を望むことができる川原ダムに到着する。初めての地ということもあり、相当辺境の地までやってきたなあ、というのが率直な感想だ。

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大きく内側に蛇行する小丸側に突き出す半島のように日向新しき村はある。たどり着くには、川原ダムの先にある橋を渡って、大回りして行かなくてはならない。突き出す半島の足下部分は小さな小山越えの一本道。ここで俗世と縁を切り、別世界に突き進むような気分になる。まるで、宮崎駿監督『千と千尋の物語』の冒頭に出てくるトンネルのような木々の中を進む。

小山を下った一本道の先に、簡素な柵と手前に一本の石柱碑が建っており、「日向 新しき村  実篤」と刻印されている。ようやくたどり着いたという安堵感が訪れる。


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柵の先には、ぽつぽつと数軒の民家があるほかには、いくつかの畑、放牧された何頭かの豚たち、木工の作業場などが見える。決して敷地は広いものではない。

畑は休耕中なのか、作物は見当たらない。木城村のホームページには表示されていた「武者小路実篤記念館」も扉を閉ざしていた。草刈りなど作業をしている方はいらっしゃったのだが、もともと観光地として門戸を開いている雰囲気は感じ取れなかった。村のホームページでは、現在2家族、3名の方がこの地で暮らしているという。実際に現地でお見かけしたのは、おそらくその方だったのだろう。唯一、村内を自由闊達に走り回っていたやんちゃな一匹の子犬と触れ合うことができたのが、新しき村での交流となった。



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