一般に個人は共同生活体ではなく、家族の一員として日常生活を営む。生活の基盤を家族ではなく、共同生活体に移行させるためには、さまざまな理由が必要とされるが、これは、既存の社会システムからの”逃走”もしくは”逸脱”として説明することができる。

わたしたちの社会は、さまざまに分節されながら、階層を形成したり、交流し、全体として最適システムとして再構成される。

 

社会において、個人が属する基本単位は家族である。家族は血縁や婚姻を基礎として、居住や生計、ケア(養育・病気・介護)を共同化する組織である。そして、多くの家族は地域共同体に所属する。地域共同体において、家族は自治・防犯・防災・福祉・教育などの諸活動を通じ、共同体の他メンバーと交流し、地域共同体の持続・維持に貢献する。さらに地域共同体は、国家に所属する。国家は、法や制度・政策を通じて、地域共同体や家族、個人に一定の秩序と安定を与える。

このように、わたしたちの社会は、<個人・家族・地域共同体・国家>などの諸要素から構成される全体システムを安定的な状態に保つべく機能する。

われわれの属する社会モデルをこのように捉えると、共同生活体は、この全体システムには属さず、外部もしくは外部の境界領域に位置する存在であると説明できる。

例えば、宗教型共同生活体、共産型共同生活体、共生型共同生活体は<個人・家族・地域共同体・国家>からなる全体もしくは一部から逃走し、新たな別社会システムの所属を志向する<逃走モデル>として説明できる。もうひとつの矯正型共同生活体は、対象となる個人が、全体システムの安定を揺るがす存在、もしくはこぼれ落ちた存在として認識されたゆえに、矯正型生活共同体に収容され、全体システムに再び回帰させるためのなまざまな矯正・教育が施される<逸脱/教育モデル>として説明できる。



図表