「共同生活体」とは、いわゆる血縁・婚姻を基礎とする「家族」ではなく、それぞれ所属、来歴の異なる人々が、物理的な特定の場所や地区に集合し、日常生活の全てもしくは一部を共同化するものである。集まる単位は、個人ではなく「家族」や「知人同士」の場合もある。

「共同生活体」が営まれるには、いくつかの理由がある。

ひとつは宗教上の理由である。「修道院」「僧院」などでは、宗教上の戒律に基づく生活の規律を遵守するために俗世から分離され、共同生活が営まれる。

もうひとつの動きは、「いま、ここではなく、別の社会を夢想する」理想社会の実現結果としての「共同生活体」である。これは、ユートピア思想とも通底する。協同組合運動・社会主義運動の父と呼ばれたロバート・オーウェンによる「ニュー・ハーモニー・コミュニティ(New Harmony Community)」を起源とし、1930年代頃、起こったイスラエルのキブツ運動、1970年代の米国「コミューン」運動などに繋がる動きである。これは、日本でも武者小路実篤の「新しき村」、山岸巳代蔵の「幸福会ヤマギシ会」などの動きに繋がっている。

上記「共同生活体」は、それぞれの生活体に属する個人の自発的意思に基づき組織化された場合が中心である。

一方、個人の意思ではなく「生活共同体」に強制的に収容されるケースもある。

「監獄・刑務所」はその代表的な例であろう。加えて「社会的矯正」や「救貧」「孤児」の救済を目的として組織化される「感化院・刑務所」「救貧院」「孤児院」なども逸脱/収容の事例であろう。震災や津波などの災害からの避難、家屋の被災に伴い余儀なくされる「避難場所」「仮設住宅」での生活も、広義の逸脱/収容モデルとしての「共同生活体」と見なすことができよう。

高齢期の入居施設、「特別養護老人ホーム」「グループリビング」などは、介護ケアや認知症ケアケアを目的に営まれる「共同生活体」である。健常状態ながら、高齢期の生活を同世代同士で過ごそうとする「リタイアメント・コミュニティ」(Retaiment Community)」や、多世代での共生生活を目指す「コ・ハウジング」(Co Housing)、「シェアハウス」(Share house)なども「共同生活体」の一類型である。それ以外にも、「学生寮」「社員寮」など、規律や秩序の教育、生活面での援助を目的として設けられるケースもある。

このように「共同生活体」という視点から存在するケースを包括的に眺めると、もさまざまなタイプの「共同生活体」が存在することに気づく。